犬のアトピー性皮膚炎の治療を成功させる3つのポイント

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犬のアトピー性皮膚炎

人間だけの病気だと思われがちですが、実は犬もアトピー性皮膚炎にかかることがあります。

愛犬が頻回に体を舐めたり掻いたりしているならアトピー性皮膚炎かも知れませんよ?この記事では、アトピー性皮膚炎とはどのような病気なのか?どのように対処したら良いのかを紹介していこうと思います。

目次

 

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎とは、環境アレルゲンと呼ばれる花粉や真菌、ハウスダストが鼻や口、皮膚などから侵入する事により起こる吸引性のアレルギー皮膚炎です。

飼い主様の中には食べ物が原因ではないかと考えられる方もおられますが、食べ物によって症状が出ているなら食物アレルギーが原因でありアトピー性皮膚炎ではありません。

食物アレルギーが疑われる場合は、除去食と呼ばれるフードを与えて反応から診断を確定させます。

また、直接的な原因ではありませんが、遺伝的な素因によりアトピー性皮膚炎になりやすい犬もいます。

 

アトピー性皮膚炎の遺伝的素因

アトピー性皮膚炎には遺伝的な素因があると言うのが現在の定説です。

遺伝的素因とは、遺伝子によってその疾患になりやすいと言うことです。

犬の場合は、犬種によってこの遺伝的素因が変わってきます。

日本でよく飼育されている犬種のなかでアトピー性皮膚炎になりやすい犬種は以下の通りです。

 

遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい犬種

  • 柴犬
  • シーズー
  • ウエストハイランドホワイトテリア
  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドールレトリバー
  • ミニチュアダックスフント
  • フレンチブルドック
  • ビーグル
  • トイプードル

 

アトピー性皮膚炎の傾向

全体の10%程度がアトピー性皮膚炎を発症していると言われており、調査によると、約70%が3歳以下、約85%は5歳以下で発症しているそうです。

平均的には1~2歳で発症するケースが多く、中には生後6ヶ月程度で発症する子もいます。

 

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎は、「即時型」と言われる、すぐにアレルギー反応が現れるタイプのアレルギー疾患です。

体内に侵入したアレルゲンの原因物質と、「lgE」と呼ばれる免疫抗体が結合する事で、皮膚の痒みや湿疹など様々なアレルギー症状が引き起こされます。

顔面(主に目の周囲)・四肢(主に指や指の間、脇の下)腹部などに症状が現れる事が多いですが、時に全身に症状が広がることもあります。

発症初期は皮膚の発赤や赤みは軽度ですが慢性化するにしたがって、皮膚の肥厚や紅斑、色素沈着による黒ずみ、脂漏(脂っぽく、臭いが強くなる)などの症状が進行していきます。

また、初期段階では特定の季節のみに症状が現れる場合もありますが、発症から時間が経過すると慢性の症状に変わっていきます。

犬の場合は人間のように痒みを我慢することができず、掻いてしまうため、二次的な皮膚疾患を起こすことがあります。

 

アトピー性皮膚炎からの二時疾患とは?

皮膚炎による痒みを我慢できず掻いてしまうことで、皮膚に傷ができてしまい、びらんや潰瘍になることがあります。その他にも、傷口から、ブドウ球菌や、マラセチアの感染によって生じる感染症などもあります。

 

アトピー性皮膚炎の診断

愛犬がアトピー性皮膚炎かどうかは、発症年齢と症状からほぼ診断することができますが、疥癬やアカラスと呼ばれるノミアレルギー、食物アレルギーなどと区別する必要があります。

そのため、見た目でアトピー性皮膚炎と判断せず、ちゃんと動物病院にて診断を受けましょう。

その際に先ほど記載した発症年齢と症状をしっかり獣医に伝えることができるようメモなどを持っていくことをおすすめします。

動物病院での検査

動物病院では、アレルギーを起こす原因物質を皮内に注射して、皮膚の反応を観察する皮内反応と呼ばれる方法や、採血を行い抗原に対する血液中のIgEの検査を実施します。

ただこれらの検査は、アトピー性皮膚炎が原因かどうかを判断する検査ではなく、アレルギーの原因を特定する検査です。

このような検査を受けるのは可哀想だと思われる飼い主さんもおられますが、原因の診断を確定することができたり、治療に役立てることができるため、医師より検査をするか判断を任された際には、検査を実施することをおすすめします。

 

アトピー性皮膚炎の治療で重要な3つの管理とは?

アレルゲンをなくす

アレルギー体質な犬でも、皮膚が弱い犬でも、アレルゲンが存在しなければアレルギー症状は発生しません。しかし、今の科学ではアレルゲンを完全に無くすことは出来ないので、少しでもアレルゲンを少なくすることが大切になります。

アレルゲンに触れる機会を減らすだけでも症状は良くなります。

 

皮膚のバリア機能を回復させる

2つ皮膚のバリア機能とは、皮膚がアレルゲンから自身を守る力のことです。

この力が弱くなると、皮膚表面からアレルゲンが入り込みやすくなります。

皮膚のバリア機能を回復させることでアレルゲンの侵入を防ぎ、症状を軽くすることができます。

 

アレルギー体質の管理をする

これは薬による治療になります。上記の2つのようなかゆみや炎症を抑えるための対処療法とは違い、体内の免疫機構を整えることで根本治療に近い効果があります。

しかし、現在の医学では体質を完全に治すことは出来ないのでアトピー性皮膚炎を完治させることはできません。

ですから投薬は無駄だと思われている飼い主様もいらっしゃいますが、投薬治療により症状は軽減すると考えられますので、否定せずに実施される事をお勧めします。

 

アトピー性皮膚炎の具体的な治療方法

家庭でできる治療

家庭でできる最も有効な方法はシャンプーです。

シャンプーには皮膚の余分な油分や汚れを落とす効果があります。

その為、皮膚についた原因物質を除去することができます。シャンプーを購入する際は、保湿効果のある製品を選ぶようにしましょう。リンスやモイスチャライザー(保湿剤)の使用もアトピー性皮膚炎には効果的です。

その他には、家の掃除も効果的です。ハウスダストど呼ばれるダニの死骸が含まれる埃や塵を、愛犬の過ごす環境からなるべく取り除くことで、症状を抑えることができます。

 

獣医による治療

アトピー性皮膚炎の治療として有名な薬がステロイドです。

ステロイドは副腎皮質ホルモンと呼ばれる成分で出来ており、炎症と免疫を抑える作用があります。ですから、アレルギー疾患の治療薬としてよく利用されます。

 

ステロイドって危険なのでは?

ステロイドは危険な薬物だと言う意識から積極的に利用しない飼い主もいます。

ステロイドの副作用は様々なものがありますが、危険なものでは肝障害や糖尿病アジソン病などの病気になるものもあります。

では、なぜステロイドを使用するのでしょうか?それはステロイドはほとんどの症例で効果があり、効果が現れるのが早いからです。

犬種や動物の種類問わず、使用できる薬剤はステロイドしかありません。幸い、犬や猫は人よりステロイドによる影響は出にくいと言われており副作用のリスクは低いです。

 

ステロイド以外の治療薬

二時疾患であるブドウ球菌やマラセチアの感染に対しては、抗生物質や酵母に有効な薬剤を動物病院で処方してもらいましょう。

感染症だけでなく、アトピー性皮膚炎の痒みに対しては、抗ヒスタミン剤を使用したり、イヌインターフェロンγや免疫抑制剤の一種であるシクロスポリンなども使用されます。

2016年7月からは最新科学により開発された『アポキル錠』が発売されました。アポキル錠は痒みに直接作用するので効果が非常に高いうえ、副作用が少ないと評判が良いです!

 

減感作療法も効果的

皮内試験や血清IgE抗原の測定結果に基づいて、特定の抗原物質を定期的に注射する減感作療法と呼ばれる治療法があります。

症状が消失した例から軽度の改善までを含めると7割程の症例に効果が見られています。

 

アトピー性皮膚炎の予後

アトピー性皮膚炎は長期的な管理が必要です。

悪化した時だけ慌てて治療するのではなく、継続的に上記した治療を行っていく必要があります。

定期的に獣医による診察を受け、3つの治療の考え方を踏まえた予後管理を行っていきましょう。

 

最後に

いかがだったでしょうか?

愛犬にとってとても辛い疾患であるアトピー性皮膚炎は飼い主様の助けが必要な疾患です。

飼い主の負担も大きい疾患ですが、この記事が少しでも困ったときの参考になれば幸いです。

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佐山真隆

佐山真隆愛玩動物飼養管理士

投稿者プロフィール

2級愛玩動物飼養管理士の資格を所有しています。

ペットの病気という難しい話ではありますが、飼い主さん目線でなるべく分かりやすく執筆するように心がけていますのでよろしくお願い致します。

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