猫風邪「猫伝染性鼻気管炎」原因・症状・治療を獣医師が解説

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猫伝染性鼻気管炎

猫伝染性鼻気管炎ってどんな病気?

 

猫伝染性鼻気管炎は、「猫の風邪」と言われることもある、くしゃみ、鼻水、眼ヤニを起こす病気です。猫ヘルペスウィルスⅠ型(FHV-1)の感染によって起こります。

ウィルスは乾燥に強いため、冬の間に流行することが多い病気ですが、1年中起こります。

 

どうやって感染するの?

このウィルスに感染した猫は鼻汁や眼ヤニの中に大量のウィルスを排泄します。

ウィルスの排泄は2~3週間続きます。そして感染した猫に直接接触することや、感染した猫のくしゃみにより排泄された空気中のウィルスを介して口や鼻、そして眼の結膜にウィルスが感染することにより、免疫のない猫に感染が起こります。

このウィルスは環境中では長く生存することはできませんが、広く分布しているため、ほとんどの猫が若齢期に感染していると言われています。

 

どんな症状?

猫伝染性鼻気管炎

食欲や元気がなくなり、発熱、くしゃみ、鼻水、涙が多くなるなどの症状が出ます。

症状が進むと涙は膿性の目ヤニとなり、鼻水も水のような鼻水から膿性のドロッとした鼻汁になります。

そのため鼻と眼がふさがれた状態となり、口を開けて呼吸したり、ヨダレが出ることもあります。

ニオイが分からないため、食欲がなくなります。さらに重症になると呼吸困難がみられ、咳がでるようになります。

子猫では重症となりやすく、子猫が感染した場合、結膜炎を起こし、結膜が充血し、結膜が腫れたようになります。そして角膜や結膜の表面がただれた状態になり、眼瞼同士、または眼瞼が角膜に癒着するようになります。

眼瞼同士が癒着した場合、眼が開かないといった症状になります。そして角膜潰瘍を起こし、全眼球炎を起こすこともあります。この症状はだいたい10~14日間続きます。

子猫では衰弱して死亡することもありますが、成猫では死亡することは少ない病気です。

回復したあともウィルスは体の中から完全に消えることはなく、感染した猫はウィルス保有猫になり、神経節にウィルスが存在するようになります。

そして約半数の猫が鼻水やくしゃみ、涙や眼ヤニといった局所の症状の再発を繰り返すことが多くなります。成猫では旅行やペットホテルなどでストレスがかかったり、ステロイドなどの免疫抑制剤の投与で再発することがあります。

他には猫免疫不全ウィルス(FIV)や猫白血病ウィルス(FelV)などの感染で重症化することがあります。

しかし成猫では再発による発症が多いため、子猫ほど重症な症状を示すことは少なく、結膜炎を起こすことはありますが、眼瞼が癒着することは少ないです。

そして発熱、くしゃみ、鼻水、涙眼などの症状を示さない時でもウィルスを排泄することもあり、環境中に広くウィルスが分布するようになります。

そのため全世界の90%の猫が猫ヘルペスウィルスⅠ型(FHV-1)にさらされたことがあるという報告もあります。

 

どうやって診断するの?

眼の症状やくしゃみ、鼻水といった呼吸器の症状によって診断されることが多いです。

FHV-1ウィルスの分離やウィルスに対する抗体価を調べる免疫的方法もありますが、さまざまな問題を残しているため、一般的に実施されることは少ないです。

 

猫伝染性鼻気管炎治療法は?

ウィルスに対して効果的な治療法は少ないため、症状を軽減する対症療法を行うことが多いです。

細菌による二次感染を予防するための抗生剤を投薬や点眼で投与したり、抗ウィルス薬を投薬や点眼で投与します。

全身的な抗ウィルス薬としてインターフェロンの注射を行うこともあります。

脱水を起こし、衰弱している場合には点滴による水分の補給が必要になります。

 

予防としてできることは?

猫ヘルペスウィルスⅠ型(FHV-1)に対するワクチンを接種することが予防となるでしょう。

しかしワクチン接種は全身症状の発現を抑えることができますが、眼の症状や、鼻炎といった局所的な症状の再発を抑えることはできません。

猫ヘルペスウィルスⅠ型(FHV-1)に対するワクチンは3種混合ワクチンをはじめとする猫のワクチンに含まれています。

成猫では再発を予防するために、ストレスのない生活を心がけることも大切でしょう。

感染猫がいる場合、環境中にウィルスが存在する可能性があるため、塩素を含む家庭用の漂白剤などで消毒を行い、蔓延を予防しましょう。

感染猫を触った飼い主を介して感染することもあるので注意しましょう。

子猫は重症になりやすいため、感染猫からは隔離しましょう。

子猫では生後2ヶ月からワクチン接種が可能なため、ワクチンをきちんと接種することが大切です。

 

快復のカギは食欲の回復  -家でのケアとしてできること-

鼻が詰まってニオイが分からなくなり、息が苦しいので、食欲が落ちます。

自分で食べられるようになることが回復の兆しになるので、家でのケアは食欲の回復と鼻水と目ヤニのケアを心がけましょう。

 

ニオイが強い食事や普段はあまり食べないおいしい食事を用意する

缶詰を温めたり、ドライフードならぬるま湯でふやかして匂いをつける、鰹節などをふりかけとしてかけてニオイを強め、食事に興味をひくのもいいでしょう。

普段あまり食べていないおいしい食事(魚や肉などを調理したもの)を少量与えて食欲を刺激するのもいいでしょう。

 

自分で食べない場合は強制給餌

缶詰などの柔らかい食事を口をあけて上顎にぬってあげるなどして、食事を強制的に食べるようにしましょう。

シリンジ(注射器)などにやわらかい缶詰をいれて少しづつ口の中に入れてあげるのもいいでしょう。

 

鼻づまりと目ヤニのケア

鼻がつまったままだと息がしにくく、ニオイも感じにくいため、お湯で濡らしたガーゼやタオルなどで鼻の周りの鼻汁をキレイに拭き取って鼻づまりを解消してあげましょう。

眼ヤニがついたままだと眼の周りがただれてしまうので、お湯で濡らしたガーゼやタオルなどでキレイに拭き取って清潔に保ってあげましょう。

そのことで鼻や眼がふさがった状態が改善されるので食欲の回復にもなるでしょう。

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