猫の甲状腺機能亢進症の主な6つの症状と治療方法

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猫の甲状腺機能亢進症とは?

 

「甲状腺」とは、猫の首元部分、気管の左右に1つずつ存在する小さな分泌腺のかたまりです。

この器官は甲状腺ホルモン分泌を行う役割があります。甲状腺ホルモンには、

  • トリヨードチロニン(T3)
  • サイロキシン(T4)
  • カルシトニン

の3種類があり、体温調整、心拍数上昇、脂肪の代謝、カルシウムバランスの調整など、体の新陳代謝を促すような働きがあります。

この甲状腺に癌、良性腫瘍、肥大などの異常が起こり甲状腺ホルモンが過剰に出すぎることによって、体にさまざまな症状が表れる病気のことを「甲状腺機能亢進症」といいます。

左右にある甲状腺のどちらかひとつに異常が見られるケースが多いですが、両方の甲状腺に異常が発見される場合もあります。

甲状腺機能亢進症は全身に症状が表れゆっくりと進行し、自然治癒することはありません。

適切な治療を行わないと命に関わる病気です。

しかし、早期発見・早期治療ができれば完治に近い状態を保ったり、病状をコントロールして日常生活に大きな支障が出ないようにすることが可能です。

 

どんな猫が罹患しやすい?

8~10歳以上の中高齢の猫によく見つかる病気で、この病気が見つかる猫の平均年齢は13歳です。

オス・メスどちらの猫もかかる可能性があります。

若い猫はあまり心配しなくてもよいですが、8歳を超えるシニアの年齢になったら、飼い主さんが日頃の様子をよく観察して、早期発見を心がけることが大切です。

 

甲状腺機能亢進症の症状を知っておこう

日々の生活の中で、猫の様子を注意深く観察していると「いつもと違うな」と気づく症状が多いです。

しかし、甲状腺ホルモンが多量に分泌されることにより、新陳代謝が良くなりすぎて「猫が元気に、活動的に見える」という特徴もあります。

そのため病気だとは思わず、逆に発見が遅れるというケースもあるようです。

8歳以上の年齢の猫に下記のような症状が見受けられたら、症状が表れるようになった時期や頻度などをメモに記し、動物病院に持参して受診すると診断の助けになります。

 

甲状腺機能亢進症の主な6つの症状

水を飲む量が増える

気づくといつも水を飲んでいる、水の減りが早い、水の器が空になるまで飲み干す

 

尿の量が増える

トイレに行く回数が増える、1回あたりのトイレの時間が長くなる、猫砂やペットシーツの交換頻度が今までより早くなる。

 

痩せる

食欲があり、いつも通り・いつも以上に食べているのにだんだん体重が減る、痩せてくる。

 

涼しい場所を好む

体温が上がり暑く感じることが多くなる為いつもより涼しい場所を好むようになる。

 

毛に関する異常が見られる

毛ヅヤがなくなる、毛にパサつきが多くなる、フケがよく出る、脱毛が多くなる

 

行動や性格に変化が表れる

活発になる、よく走る、落ち着きがなくなる、夜鳴きする、鳴き声が大きくなる、攻撃的な性格になる。

 

甲状腺機能亢進症の検査方法は?

甲状腺機能亢進症が疑われる場合、さまざまな検査の結果を総合的に照らし合わせて確定診断を行います。

甲状腺機能亢進症と似たような症状が出る別な病気もありますので、動物病院ではあらゆる可能性を考えた上で見落としがないように検査をしていきます。

 

体温測定

体温調節機能に乱れがないかを確認します。甲状腺機能亢進症の場合、体温が高くなることが多いです。症状が進行すると、逆に低体温になる場合もあります。

 

触診

甲状腺を皮膚の上から触ることは通常は困難ですが、甲状腺が極端に肥大している場合などは触診で分かることもあります。

 

聴診

心音の乱れ、雑音等を聴診で確認します。心拍数の上昇も甲状腺機能亢進症の症状のひとつです。

 

画像診断(X線診断)

心臓の肥大や腎萎縮などの異常が見られないか確認します。

 

血液検査

甲状腺機能亢進症の確定診断には、血液検査が不可欠です。

一般的な猫の健康診断などで行われる血液検査項目で、ストレス反応性の数値等を確認するのに加え、血液中の甲状腺ホルモンを測定します。

ただし、病気の進行の早い段階では、血液検査の結果でもはっきりとした数値が表れず、いわゆる「グレーゾーン」の結果が出る場合もあります。

こういった場合は数か月後の再検査が必要です。

甲状腺ホルモン測定を含めた血液検査は、ほとんどの場合で病院内ではなく外部の検査機関で検査を行います。

そのため検査結果が出るまでには約1週間ほどかかり費用は1万円前後です。

 

甲状腺機能亢進症の治療法

甲状腺機能亢進症であることが確定した場合治療法は大きく分けて3つあります。

それぞれの治療方法にメリット・デメリットがありますので、症状の進行度合いや猫の年齢や体力などに合わせて最適な治療を選択できるよう、納得のいくまで獣医さんと相談することが大切です。

 

外科的手術

手術により、腫大した甲状腺を摘出してしまう根本治療です。

手術や全身麻酔に耐えられる体力があることが前提となります。

また、手術自体の難易度や、術後の後遺症の可能性なども合わせて慎重に検討する必要があります。

 

投薬治療

甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬を服用します。

ホルモン値の検査を行いながら、最適な効果が表れる薬量を探っていきます。

毎日の投薬が必要で、副作用が出ることもあります。

 

食餌療法

甲状腺ホルモンの構成成分であるヨウ素の接種を制限し、ホルモンの値をコントロールする療法食が発売されています。

手術をすることができない、毎日の投薬も難しいという猫にはこの方法を試すと良いでしょう。

ただし他の餌やおやつと合わせて与えると効果が落ちるので、この療法食のみを与え続ける必要があります。

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斎藤 賜美愛玩動物飼養管理士

投稿者プロフィール

愛玩動物飼養管理士の資格を保有し野良猫の去勢・避妊手術や、

子猫の保護・譲渡などのボランティア活動に従事しています。

日本臨床獣医学フォーラムには毎年参加しており、日本中の著名な獣医師や、動物行動学の先生から直接レクチャーを受講しています。

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