【動物看護師執筆】犬・猫のワクチン接種は本当に毎年必要?

犬のワクチン接種

数年に一回動物病院から送られてくる混合ワクチンのお知らせ、ワクチン接種は本当に必要なのでしょうか?

これは生活環境に左右されますが、原則として必要です。
川沿いや森林が多い場所では感染症の感染リスクがありますから、お出かけが多いペットちゃんや他のおうちのペットちゃんと遊ぶ機会の多いペットは特に必要ですね。

ですが混合ワクチン、実は病院の先生によって接種頻度が違います。
例えば毎年接種をすすめる病院と3年に1回の接種でいいという病院があったりします。

現在多くの病院で使用されている5種の混合ワクチンは、米国では3年間抗体が持続する事が証明されています。

そのため成犬になってからのワクチンは「3年に一回でいいですよ」とアナウンスする病院が増えてきました(抗体確確立ができるまではもう少し頻回で案内されます)。

ところが昔ながらの先生や、ペットちゃんの負担を減らすため正規量より減らしてワクチン接種を行う病院さんでは、毎年接種や一年半に一回の接種をおすすめしているケースがあるのです。

接種頻度に疑問を持たれた場合は必ずかかりつけの先生にお聞きになってください。

なお5種以上のワクチンは抗体が一年しか持ちませんので必然的に毎年の接種となります。

混合ワクチンの副作用

さてこの混合ワクチン、副作用はないのでしょうか?
残念ながら混合ワクチンの副作用症例は他のどんな予防薬より多く報告があります。

ダントツで多いのがアナフィラキシーショックです。
接種後ワクチンにアレルギー反応を起こし顔が腫れあがってしまいます。

ほとんどが数時間以内に収まりますが、症状が出た際は速やかに動物病院にかかりステロイドで治療する必要があります。

難しいところですが一度でもこの症状が出たのであれば、個人的には生活環境に注意しワクチン接種は中止してもいいと考えています。

どうしてもという場合には事前にステロイドを服用し接種を行う事も可能ですが、最悪命に関わる副作用ですから獣医師とよくご相談されてください。

私の勤務している病院では年間平均3件程副作用症例を見ています。
ご心配な方は接種後30分程動物病院さんで様子を見てから帰宅しましょう。

なお高齢なペットちゃんや持病があるペットちゃんは、ワクチンによる負担を避けるため副作用がなくともワクチンを中止する場合があります。

その際は生活するうえで注意すべき点などを確認しましょう。

健康でも年1回は定期検診も受けよう

ペットの定期検診というのはあまりなじみがないかもしれませんが、実はとても大切な事です。

動物たちは本来野生の世界で生活していました。
どこか調子が悪くてもそれを表に出せば他の動物にやられてしまうかもしれない。
だからこそギリギリまで体の不調は見せてくれません。

触診や聴診で疾患を早く見つけてあげられることもあります。血液検査をして初めて見つかる病気もあります。

実際に見た目は全く問題のない元気な子が、検診で腫瘍や内臓疾患が見つかったというケースはとてもとても多くあります。

一年に一回でも構いません。定期検診を受けられることをおすすめします。

まとめ

確かにペットには予防しなければいけないものが多く、本当に必要なのか疑問に思うこともあるかと思います。

ですが私たちは決して動物に負担がかかるだけの無駄な予防を勧めることはしません。

動物看護師としてどんなに経験を積んでも、どんなに知識が増えても、救えない命があったとき、飼い主様の気持ちに応えられなかったときは悔やみ、悩み、涙することもあります。それがワクチンで予防さえしていれば防げたかもしれない病気ならなおさらです。

ワクチンの定期接種に関しても、ネット上では「必要ない」と無責任な事を言う人もみられますが鵜呑みにせず正しい知識を持った獣医師によく相談されてください。

先生との相性もありますから長くお付き合いができるかかりつけを見つけてあげることも飼い主様がペットのためにできることの一つですね。

疑問や不安を飲み込まず、うまく動物のプロと付き合い可愛い我が子の人生をより豊かなものにしていただければと思います。

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